年下のカノジョ~あの子は高校生~
「厨房の中にいると、外の天気がまったく分からないよな」
 水田がクリーム類やら、フルーツ類を冷蔵庫に押し込む。

「そうだな。
 音もあまり聞こえないし」
 俺はまな板を漂白剤につける。

「朝の天気予報だと、台風は日本海側に沿って進むから、関東には来ないって言ってたんですけどねぇ」
 赤川は・・・・・・突っ立ったまま。


―――何してんだよ、もう!!

「おい、赤川!
 口じゃなくて、手を動かせ!」 
 
 俺のとなりでモタモタしている奴の頭を軽く小突く。


 スタッフが駆け回っている厨房へ店長が顔を出した。

「電車もバスも動いていないみたい。
 車のある人は手分けして、みんなを送ってもらえるかしら?」

「いいですよぉ」

 車通勤の数名が返事をする。



「台風って、なんかワクワクしますね」
 赤川が子供のようなことを言ってくる。

「だーかーらーっ!!
 口よりも手を動かせっての!!」
 

 俺は奴のケツにヒザ蹴りをかましてやった。


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