年下のカノジョ~あの子は高校生~
 大急ぎで片づけを済ませ、とりあえず全員がホールに集合。


「駅の向こうに帰る人は、オーナーの車に乗って。
 大通り沿いの人は田中さんの車。
 上川町方向の人は私が送るわ。
 区役所方面の人は事務の高橋さんの車に。
 泉が丘公園方面の人は三山さんに車で」

 店長がてきぱきと指示を出す。

「みんな、くれぐれも気をつけるように。
 はい、お疲れ様~」

「お疲れ様です」


 あいさつの後、みんなが通用口に向かう。

「ええっと、俺の車に乗る人は誰?」

 俺が呼びかけると、『はい』という返事とともに一人の手が上がる。


 由美奈ちゃんだった。



―――え?

「あれ?
 柏木さんだけ?」

 聞き返すと、由美奈ちゃんはきょろきょろと周りを見回す。

「そうですねぇ。
 他の方は違う方向みたいですね。
 三山さん、よろしくお願いします」
 ぺこりと頭を下げる。

「う、うん」


 ラッキーすぎる展開に、驚きやら、喜びやらで顔の筋肉がおかしなことになりそうだった。
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