年下のカノジョ~あの子は高校生~
「鍵、閉めるわよー。
 急いでー!」
 店長が通用口で大きな声を出している。



 俺と由美奈ちゃんが駆け寄る。

「正和君達で最後ね」

「そうです」

 俺達がこうしている間にも、台風はどんどん近づいてきているようだ。

 雨が激しく打ち付ける音が聞こえる。

 どこかで雷も鳴っている。



「じゃ、行きましょうか」
 店長がノブに手をかけた時、携帯が鳴った。

「もしもし・・・・・・。
 あら、どうしたの?
 え、発注?
 ・・・・・・そうなの、分かったわ」

 先に店を出たオーナーからだった。


 電話を切った店長が俺に向く。

「正和君。
 かわた青果の発注のことは、何か聞いてる?」

「はい。
 食用花を20人分注文するんだって、今朝言ってましたね」

「そう。
 悪いんだけど、急いで発注してもらえる?
 今日中にFAXしないと、明後日に届かないらしいのよ」

「いいですよ」

「お願い。
 ここの戸締り、よろしくね」
 

 店長は俺に鍵を渡して、上川町に帰る人たちを連れて出て行った。
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