年下のカノジョ~あの子は高校生~
―――落ち着けー。落ち着けー。

 自分に何度も言い聞かせる。

 深く息を吸うと、俺に少し余裕が出てきた。
 


 小さな手の中に俺のTシャツを握り締め、カタカタと震えている由美奈ちゃんの背中に手を置いた。

「何があったの?」
 
 ひっく、ひっくとしゃくりあげるたびに、彼女の背中が弾む。



 その背中をゆっくりとなでてやる。

「どうして泣いてるの?」

 いっこうに泣き止まない彼女の答えを辛抱強く待つ。




 やや間があいて、由美奈ちゃんがポツリと言った。

「わ、私・・・・・・。
 雷が・・・・・・大の苦手、なんですぅ・・・・・・」
 
 そしてまた、ひっく、ひっくと泣きじゃくる。


―――ああ、そういうことか。
   納得、納得。



「さっきの雷、すごい大きな音だったからなぁ。
 怖かったんだね」

 コクン、と小さくうなずく由美奈ちゃん。



 だけど。

 運の悪いことに、彼女が少し落ち着きを取り戻したところへ再び、鼓膜がしびれるような大雷鳴が響いた。
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