年下のカノジョ~あの子は高校生~
「いやぁぁぁっ!!」
 由美奈ちゃんがさらにギュゥッと抱きついてくる。



 薄いTシャツ越しに伝わってくる、彼女の体温。


 なんて・・・・・・、なんて素敵な展開!!
  

―――嵐よ、ありがとうっ。

 怖がっている由美奈ちゃんには悪いけど、この幸せなひと時を噛みしめた。
 





 雷はとっくに去って行ったというのに、由美奈ちゃんはまだ俺にしがみついたまま震えている。
 
 こんな彼女を見ていると、俺が守ってあげなきゃって気持ちになる。

 今の俺は“いいところを見せよう”とか、“彼女に気に入られよう”という気持ちはまったくなかった。


『愛しい人を守りたい』

 ただそれだけだった。


―――なんか、自分が少しだけ強くなった感じだ。


 胸の奥がホワンと温かくなって、その温度が照れくさくて、俺は思わず微笑んでいた。






「大丈夫だよ。
 俺がそばにいるからね」


 震える彼女の背中を子供をあやすみたいにポン、ポンと優しく叩きながら由美奈ちゃんが落ち着くのをじっと待つ。

< 165 / 718 >

この作品をシェア

pagetop