年下のカノジョ~あの子は高校生~
 見れば俺がさっき水をこぼした辺りに、ぺたんと座り込んでいる彼女がいる。


「あ・・・・・・。
 転んじゃいました。
 ごめんなさい、大きな声を出して」
 
 荷物を拾おうと立ち上がる由美奈ちゃん。


 だけど。

 小さく『痛ッ』と言って、へたり込んでしまった。




「どうしたの?」
 
 山岸さんが由美奈ちゃんの前に膝をつき、顔を覗き込む。



 彼女は少し青い顔をして、額には脂汗がにじんでいた。


「足をひねったんじゃない?
 ちょっと見せてね」
 山岸さんは由美奈ちゃんの靴下を下げた。


「やっぱり。
 腫れてるわよ」

 言葉通り、由美奈ちゃんの左の足首が赤く膨らんでいる。

「あ、あの。
 たいしたことないです。
 平気です」
 
 手をパタパタ振って、“大丈夫です”とアピールしている。



 でも。

 その顔はつらそうだ。






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