年下のカノジョ~あの子は高校生~
 川上さんが処方箋に目を落とす。

「柏木 由美奈さん?
 三山さんじゃないのね」

「はい。
 バイトの子がケガしたので、付き添いです」

「なるほどね。
 ケガしてるわりには、ずいぶんと元気そうだと思ったのよ。
 昔は青い顔して、良く駆け込んできていたのに」


―――もう、何だよみんなして昔のことを。


 でも事実なので、俺は苦笑するしかない。



「今はそんなヘマをすることもなくなりましたよ」

「そうみたいね。
 で、これが痛み止めとシップ。
 1週間分が出てるわ」

 手早く袋に入れてくれる。


「そうそう。
 三山さんのこと、病院内でも評判よ。
 腕も顔もいいコックだって」

「ははっ。
 料理が評価されるのは嬉しいですけどね。
 俺は人に言われるほど、顔はよくないですよ」

「うちの若い女の子たちは、あなたの姿を見るだけでキャーキャー言ってるわ」


 薬剤師さんや看護士さん、事務員さんなど、この病院で働く女性スタッフさん達は、しょっちゅう店を利用してくれている。

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