年下のカノジョ~あの子は高校生~
「私も、いい男だと思うけどなぁ」
 川上さんがまじまじと俺の顔を見つめる。

「そうですかぁ?」
 俺は少し顔をしかめる。

「ふふっ。
 料理以外の事で褒められても嬉しがらないのは、相変わらずね」

「当然ですよ。
 俺はモデルや俳優じゃなくて、料理人ですから」


 差し出された袋を受け取った時、向かい側の診察室の戸が開いた。




 由美奈ちゃんが松葉杖をついて出てくる。



「由美奈ちゃん、止まって!」
 急いで彼女のところへ。

「あ、三山さん。
 薬を取ってきてくれたんですか?」

「“あ、三山さん”じゃないよ。
 歩いたりしたらダメじゃないか」

 すぐそばにある長イスに座らせる。

「でも、ただのネンザですし。
 それに、しっかり包帯巻いてもらいましたし」

「ネンザを甘く見たらダメだよ。
 油断したら治りが悪くなるんだから」


―――って、ケガさせた俺が何を偉そうに・・・・・・。
 



 そうだ、由美奈ちゃんに謝らないと。


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