年下のカノジョ~あの子は高校生~
「柏木さん、ごめんね」

「は?」


 いきなり頭を下げた俺を見て、由美奈ちゃんは目をぱちくり。


「店の通路に水をこぼしたの、俺なんだ。
 ごめん」

 もう一度深く頭を下げる。


「え?
 ああ、そうだったんですかぁ」

 俺の話を聞いて、なぜかすっきりした顔の由美奈ちゃん。


―――何でだ?



「柏木さん?」

「そっかぁ。
 床が濡れていたから、転んだんですね。
 よかったぁ」
 由美奈ちゃんは胸をなでおろしている。


「よかった?」

―――何を言っているんだ、由美奈ちゃんは?



「私、自分でも鈍くさいって自覚はしてるんですよ。
 でも、何もない所で転ぶほどひどくはないだろうって思っていて」


 由美奈ちゃんは、不思議そうな顔をしている俺に説明を始めた。






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