年下のカノジョ~あの子は高校生~
「で、さっき見事に転んだじゃないですか。
 “ああ、私って本当に鈍くさいんだなぁ”って落ち込んでいたんです」

「へ、へぇ」

「転ぶ理由はあったんですねぇ。
 これで安心しました」

 顔をほころばせて、嬉しそうに由美奈ちゃんが言う。


 彼女の思考回路は面白い。

 由美奈ちゃんはどうやら、思っていた以上に不思議ちゃんだ。




「ケガだって大したことないんです。
 だから三山さんは、そんなに気にしないでください」

「う、うん」

「じゃあ、帰りましょうか。
 けっこう遅くなっちゃいましたし」

「あ、ああ。
 そうだね」

 すっかり由美奈ちゃんのペースに巻き込まれる俺。




「よいしょ」
 かけ声と共に、由美奈ちゃんが立ち上がる。

 だけど、痛さで眉をしかめた。



「俺が運んであげるから」


 彼女から杖を奪い、またしてもお姫様だっこ。

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