年下のカノジョ~あの子は高校生~
 俺達が車の前に来た時、山岸さんが追いついた。


「私がドアを開けるわね」
 助手席のドアを開ける山岸さん。


「さて」
 俺は前かがみになって、由美奈ちゃんをシートに乗せようとする。
 
 だけど、どうにもやりにくい。


「柏木さん。
 俺の首に腕を回して、しっかりしがみついてくれるかな」

 由美奈ちゃんは照れながらもキュッと抱きついてきた。


―――はぁ、幸せぇ。


 でも。

 今は山岸さんがそばにいるからな。


 うかつなことは出来ない。


―――って、山岸さん。
   何でニマニマしてんですかぁ!?


 色々な意味でドキドキ&ハラハラしつつ、無事に由美奈ちゃんをシートに降ろす。


「柏木さん。
 休んでいる間に無理したらダメよ」

 由美奈ちゃんのヒザに彼女の荷物を載せて、山岸さんが助手席のドアを閉めた。



 そして足元の悪さを感じさせない優雅な足取りで、俺に近づいてくる。


「よろしく頼むわね」

「はい」

―――言われなくても分かってますって。
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