年下のカノジョ~あの子は高校生~
 彼女の手を取って立たせてあげた。

「大丈夫?
 俺に寄りかかってもいいからね」

「すいません」

 由美奈ちゃんが少しだけ、俺に体重をかける。


 ホワン、と俺の右半身が温かくなる。

 彼女の体温以外の、温かい“何か”が伝わってくる。



―――俺、よっぽど由美奈ちゃんのことが好きなんだなぁ。


 しみじみと実感。



「ありがとうございました。
 じゃぁ、失礼します」


 行こうとする由美奈ちゃんの腕をとっさにつかむ。

―――もう少し一緒にいたい。



「どうかしましたか?」
 由美奈ちゃんはきょとん、と俺を見上げる。


「あの、さ。
 上がり口に階段もあるしさ。
 危ないから俺も行くよ」



―――あとほんの少しでいいから、一緒にいさせて。
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