年下のカノジョ~あの子は高校生~
「お茶くらい飲む時間もありません?
 それとも、何か急ぎの用事でも?」

 なぜか熱心に引き止めてくるお母さん。

 ふと見れば、ものすごい近くにお母さんが立っていた。
 

 一段高いところにいるお母さんと、俺は目線が同じ位置にある。

 俺に注がれる熱い視線。


―――な、何だ?

 視線に絡め取られ、俺は身動きが取れない。




「お母さん。
 三山さんが困ってるでしょ」
 俺とお母さんの間に割って入る由美奈ちゃん。


「だってぇ」
 お母さんがなにやら恥ずかしそうにエプロンのスソをいじる。



―――なんで、照れているんだろう。 



「“だってぇ”じゃないよ、もう」
 ふぅ、とため息の由美奈ちゃん。
 

 横に立つ俺に言う。

「三山さん、お母さんがしつこくしてごめんなさい。
 まったく、悪いクセですよねぇ」




「え?」
 
―――クセって何だ?
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