年下のカノジョ~あの子は高校生~
 少しイライラしているようにも見える由美奈ちゃん。



 こういう所はとことん鈍い俺。

 彼女が照れ隠しをしているだなんて、ミジンコのかけらほども想像しなかった。




 視線を落とした由美奈ちゃんが言う。

「まったく、もう。
 三山さんに失礼じゃないの・・・・・・」



「か、柏木さん。
 そんな、失礼だなんてことないからっ」



 “失礼”なんてとんでもない。

 むしろ、由美奈ちゃんと付き合えるのなら万々歳だ。



 だけど。

 なにやら機嫌の悪い由美奈ちゃんには、俺のつぶやきは聞こえなかったようで・・・・・・。




「お母さん、ふざけたこと言わないで。
 私と三山さんは11才も違うんだよ!?」



 そう、11才の年の差。



 由美奈ちゃんの言うことは、動かしようのない事実。
 
 消すことの出来ない現実。





 だからこそ、彼女のセリフが胸に突き刺さる。


 
 さっきまでの幸せな気分が、あっという間にしぼんでしまった。
< 213 / 718 >

この作品をシェア

pagetop