年下のカノジョ~あの子は高校生~
 5分ほどして水田が出てきた。

 手にはタルト1ホールを載せたトレイを持って。


―――お、やった。


「お待たせ。
 どのくらい持っていくんだ?」

「人数分だと4ピースなんだけどさ、それだと数が悪いよなぁ。
 ・・・・・・じゃあ、大奮発して1ホール全部くれっ!」

―――予算がオーバーしちゃうけど、由美奈ちゃんのためなら!!


「ははっ。
 思い切ったところを悪いけど、代金は要らないよ」

「なんでだ?」

「柏木さんのところに見舞いに行くんだろ?
 “店から”ってことで、オーナーが金を出すってさ」

「い、いいよ。
 払う!
 俺、払うって!」


―――俺が買って、由美奈ちゃんに渡すんだ!!



 独占欲とはちょっと違うかもしれないけど、『俺』が由美奈ちゃんにケーキを買ってあげたいんだ。


 店の金で買ったケーキを由美奈ちゃんに渡すのは、ちょっとイヤだった。


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