年下のカノジョ~あの子は高校生~
 彼女に恩を売るとか、そういうことじゃなくって。

 彼女に関することに、少しでも俺が関わっていたくって。



 我ながら子供っぽい感情だとは思うけど・・・・・・。




「何をムキになってんだ?
 変な奴だなぁ」
 ケーキを箱に詰めていた水田が眉をひそめる。


「べ、別に。
 ムキになんかなってないさ」


 こういう言い訳していること自体が、ムキになっている証拠である。



「ほ、ほら、俺が彼女にケガをさせたようなものだからさ。
 店で金を出してもらうのも申し訳なくって」

「ずいぶん律儀だな」

「そんなことないって。
 タルト、ありがとうな」


 ショーケースの上に代金を置いて、そそくさと店を出た。


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