年下のカノジョ~あの子は高校生~
 チャイムを押すと、柏木家に『ピンポーン』というなじみの音が響く。


「あれ?」

 誰も出てこない。



「変だな
 これから行くって連絡したのに」


 もう一度チャイムを押す。

 足音が近づいてくる音がする。


―――よかった、ちゃんといたよ。



 やや時間があいて、扉が開いた。

 顔を出したのは由美奈ちゃん。


「こんにちは」

「あ、柏木さん?!
 他の人は?
 歩いても平気?」

「ゆっくりだったら大丈夫です。
 お母さん、今、手が放せなくって。
 すぐに来なくってごめんなさい」


「ううん、いいんだ」


「どうぞぉ、入ってください」

 由美奈ちゃんが大きく扉を開けてくれた。
 


< 226 / 718 >

この作品をシェア

pagetop