年下のカノジョ~あの子は高校生~
 昨日の不機嫌さはどこかに行ったようだ。


 何だかいい感じの俺達。
 



「か、柏木さんってさ、髪を下ろしているのもいいね。
 イメージが良くなるっていうか。
 そのワンピースも似合ってるし」

「本当ですかぁ?」
 由美奈ちゃんが嬉しそうに目を細める。


「本当だよ。
 そ、その、すっごく可愛いね」



 恥ずかしかったけれど、勇気を振り絞って彼女を褒めた。

 褒めるっていうか、感じたままを言っただけなんだけど。



「可愛い・・・・・・ですか?」

 由美奈ちゃんの顔が曇った。



―――あれ?

 内心首を傾げる俺。





 褒めたのに、どうして悲しそうなんだろう。

 分からない。



 空気が一変し、沈黙が流れる。
< 229 / 718 >

この作品をシェア

pagetop