年下のカノジョ~あの子は高校生~
30】陰り
 由美奈ちゃんがケガをしてから10日目。

 ようやく医者の許可が出た彼女が出勤してくる。



 ・・・・・・というのを、山岸さんから知らされた。



 やっかいな人に気づかれてしまったものだ。


 口が堅い人だから、まだいいけど。

 事あるごとにからかわれるのは、ちょっとカンベンしてほしい。






 昼食後の休憩中。

 スタッフ達はホールでくつろいでいる。




 俺は1人厨房で、鍋の番。

 時折かき混ぜながら、ソースを煮詰めてゆく。


 キィ・・・・・・。


 スイングドアが開いて、由美奈ちゃんが入ってきた。




「ここにいたんですかぁ」
 以前と変わらない足取りで、俺に歩み寄ってくる。


「おっ。
 だいぶ足の具合がよくなったみたいだね」

 ほっと一安心の俺。

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