年下のカノジョ~あの子は高校生~
 俺は鍋に赤ワインを入れて、さらにかき混ぜる。



「これ、なんですか?」


 こげ茶色の液体が、クツクツと煮立っている。

「デミグラスソースだよ」


 由美奈ちゃんが鍋を覗く。

「いいにおいですねぇ」


「これから調味料を足すと、もっといい香りになるよ」

 俺は大きな寸胴鍋の底からかき混ぜるために、腕にぐっと力を入れる。


 
 由美奈ちゃんが、その様子をじっと見ている。

「三山さんの腕は、私を軽々と抱き上げたり、美味しいお料理を作ったり。
 まさに“黄金の腕”ですね。
 そんな腕に抱っこされて、私、光栄です!」
 目を輝かせて、熱く語る由美奈ちゃん。


「ぷっ」

 申し訳なくも吹き出してしまった。


「何で笑うんですかぁ?」
 不思議そうに首をかしげている。


「そんなに褒められると、照れくさいよ」


 俺は鼻の頭をかく。





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