年下のカノジョ~あの子は高校生~
 その日以降、由美奈ちゃんは時々、何か思いつめたような表情になることが増えた。


 みんなと楽しく会話をしていても、ふっと影が出来る彼女。

 注意深く見ていないと気がつかないほど些細な変化。



 でも。

 笑顔が印象的な彼女だから、その一瞬の陰りが余計に目に付く。




 暑かった夏も終わり、涼しげな風が吹きぬける秋。

 時が過ぎても、由美奈ちゃんの陰りは消えることがなかった。







「一体どうしたって言うんだろう」

「なにが?」


 ここは男性更衣室。

 仕事を終えたスタッフ達が着替えの最中。


 俺の漏らしたつぶやきに、水田が反応した。


「あ、別に。
 何でもないよ」

「悩みがあるなら聞くぞ。
 家族に話せないことでも、俺になら気軽に話せると思うぞ」
 かえって他人の方が話しやすいって事もあるしな」

 水田が俺の肩をポン、と叩く。
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