年下のカノジョ~あの子は高校生~
 3回目のコールで出てくれた。


「もしもし、こんばんは。
 三山だけど、今電話してても平気?」


『三山さん?!
 平気ですけど。
 どうしたんですか?
 いきなり電話なんて』

 由美奈ちゃんは部屋でラジオを聞いていたらしい。

 徐々に絞られてゆくラジオのボリューム。




 耳元で聞こえる大好きな由美奈ちゃんの声。

 胸の鼓動はどんどん早くなる。



「突然ごめんね。
 最近の柏木さん、元気がないからさ。
 どうしたのかと思ってね」

 俺は冷静に、そして明るく振舞った。
 

『・・・・・・そんなふうに見えてました?!』

 由美奈ちゃんがちょっと驚いたような声を出した。



「うん。
 みんなが絶賛する笑顔がね、時々消えるなぁって」



 電話の向こうの由美奈ちゃんは、黙って聞いている。
< 240 / 718 >

この作品をシェア

pagetop