年下のカノジョ~あの子は高校生~
≪SIDE:由美奈ちゃん≫



 自分が『同級生よりも幼い』と言う自覚はある。



 これまでその事で不都合があったわけじゃない。

 だから、特に気にしてなかった。



 でも・・・・・・。
 
 あの人に恋をしてから、子供っぽい自分が嫌いになった。



 あの人―――三山さん。


 優しくて、かっこよくて、お料理が上手で。



 そして、大人。



 私と11才も違う。






 思い切って大人っぽいワンピースを着て、メイクもしてみた。



 だけど。

 そんな私は彼からすれば“可愛い”としか見てもらえない。



『大人びて見えるね』




 タルトを持って、お見舞いに来てくれたあの夏の日。

 こう言って欲しかった。




 精一杯背伸びした私の想いは、三山さんには伝わらなかった・・・・・・。


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