年下のカノジョ~あの子は高校生~
31】ライブチケット
     ◆◆◆


 街の木々がすっかり葉を落とした晩秋。
 
 由美奈ちゃんの笑顔は、いまだに時々曇る。


  
 
「はぁ・・・・・・」

 自分の想いが届かないことよりも、彼女が悲しそうな顔をすることの方がつらい。
 


 でも。

 俺は何もしてあげられない。


 
 由美奈ちゃんさえ笑っていてくれたら、それでいい。

 由美奈ちゃんさえ幸せでいてくれたら、それでいい。



 それが今の願い。







  
 あんなに悲しそうに笑う彼女に俺が告白したら、きっと、もっと悩ませる事になるかもしれない。

 そんなことになったら、俺は自分を一生許せない。

 
 だから俺は、普段通り接するしかない




“俺の大好きな笑顔が、由美奈ちゃんに戻りますように”


 何度も、何度もつぶやく。

 由美奈ちゃんの後姿を見つめながら・・・・・・。



    ◆◆◆
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