年下のカノジョ~あの子は高校生~
「失礼しま~す」


 閉店準備やレジ締めなどで、誰もいなくなった事務室。

 一応声をかけてから入る。



 10月後半分のシフト表を取りに来たのだ。


 机の上に置かれたプリントを1枚取り上げる。
 
 中堅どころの厨房スタッフが辞めてしまったので、休みはいつもより少ない。


「けっこう大変かもなぁ」
 
 ぼやいているところに、バイトを終えた由美奈ちゃんと田口さんが入ってきた。





「シフトを取りに来たのかな?」

 うなずく2人にそれぞれ手渡す。



 目を通していた田口さん。

 日付けと従業員名を何度も指で辿っている。


「あれ?
 由美奈、30日バイト入れたの?
 しかも昼と夜通しで?」


「そうだよ。
 この日、人がいないからって山岸さんに頼まれたの。
 それがどうかした?」

 きょとん、とした瞳で背の高い幼馴染を見上げている。
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