年下のカノジョ~あの子は高校生~
「えー?!
 信じられないっ」
 田口さんが驚きに目を丸くする。


「信じられないって何よ。
 でも、いないのは事実なの。
 今年も家族に祝ってもらうだけですぅ」

 田口さんに向かって“イーッ”としている由美奈ちゃん。


「本当に?」


「しつこいなぁ。
 本当なの。
 悪い?」

「悪くないけどさ。
 由美奈ってけっこう可愛いから、彼氏の1人や2人、いると思ってた」


―――おいおい。
   2人もいたら問題だぞ!?

 失礼だとは思ったけど、シフトを見ている振りをして彼女たちの話に耳をそばだてている。



「エリカ。
 おだてたって何もあげないよ。
 私、モテないもん」


「それはアンタが気付いてないだけ。
 小学校の頃から人気あったんだよ、由美奈は」


「そうなの?
 ぜんぜん知らなかったぁ」



 由美奈ちゃんの天然ぶりは、この頃すでに確立されていたようだ。
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