年下のカノジョ~あの子は高校生~
「じゃあさ、じゃあさ。
 気になってる人くらいはいるでしょ?」

 田口さんは完全に俺の存在を忘れているらしい。

 恋バナにますます熱が入る。



「えっ!?」

 さっと頬を赤くして、言葉に詰まる由美奈ちゃん。



「おっ、その反応は!!
 へぇ~、そういう人がいるんだぁ」
 ウヒヒ、と笑う田口さん。

 外見はクールビューティーなのに、すごくおっさんくさい。


「やっ・・・・・・、も、もう。
 エリカ、何言ってんの?!」

 俺の存在を忘れていなかった由美奈ちゃん。

 こちらをチラチラ伺っている。



―――由美奈ちゃんの気になる人って、誰だ?!
   学校の先輩かっ!? 
 


 シフト表を手に入れた俺が事務所にいる理由はない。



 でも。

 2人の話が気になって、気になって。



 意味もなく、過去の帳簿を見たりしている。
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