年下のカノジョ～あの子は高校生～

―――俺以外の男となんか、行かないで。


　言いたくても言えない。

　俺にはそんなことを言う権利はない。



「やだ、三山さん。
　“若いうちに”なんて言うのは、自分が若くない証拠ですよ～」
　けらけら笑ってる田口さん。


　もちろん悪気はないのは百も承知だが、けっこうグサリと来た。



「あ、そっか。　
　そうだね、はは、ははは･･････」
　引きつる口元から、乾いた笑いがこぼれる。


「三山さん、面白い～」

　田口さんが笑い転げる横で、由美奈ちゃんは無言。




「早く帰らないと、家の人が心配するよ」

　ガチガチにこわばった顔の俺。


　これだけ言うのがやっとだった。













　何気なく口をついた『若いうちに』という言葉。

　あの子達に比べれば、自分はずいぶん年上なのだと無意識のうちに意識をしていた事が、何だか重い。



　『年の差』という現実が、遠慮なく俺の心をえぐった。