年下のカノジョ~あの子は高校生~
 脱力した体で更衣室にたどり着き、どうにか着替える。


 日課となった野良猫の餌やりを果たすために、俺は駐車場の奥へ向かった。



 そこには先客がいた。

 由美奈ちゃんだった。


 薄明かりの中、じっとしゃがみこんでいる。




「柏木さん、どうしたの?」

 餌皿に残飯をあける俺の様子を、ぼんやりと見ている由美奈ちゃん。



「ちょっと、考え事です」

 小さく丸まった背中が寂しそうだ。




「でも、こんな所にいないで帰ったほうが良いよ。
 考え事は家でゆっくりしたら?」



「はい」

 そうは言うものの、彼女はまったく動く気配がない。






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