年下のカノジョ~あの子は高校生~
 受け取ってみると、そこには聞いたことのある名前が書かれていた。


 でも、詳しいことは知らない。

 歌番組で流れてきた曲を耳にした程度だ。




「へぇ。
 こういう音楽が好きなんだ」

「ええ、まぁ」

 ひざを抱えて、うつむいたままの由美奈ちゃん。




「あの、さ。
 このチケットをくれた人って、柏木さんのことがすごく好きなんだろうね」


「えっ!?」
 下を向いていた顔が、パッとこちらに向く。


「だって、わざわざ誕生日に合わせてくれたんでしょ。
 それにけっこうな金額だよ?
 だいぶ奮発したんだね。
 かなりの気合いが伝わってくる」


「そう・・・・・ですか?」


「うん。
 男ってね、好きな女の子のためなら無理しちゃうんだよ」





 大好きな人のためなら、自分の実力以上に頑張ってしまう。


 それが、男。





< 259 / 718 >

この作品をシェア

pagetop