年下のカノジョ~あの子は高校生~
「それじゃぁ、みんなで無事にクリスマスを乗り切りましょうね」
 山岸さんの言葉で、簡単な顔合わせは終了となった。


 柏木さんと山岸さんが歩きながら何やら話している。

「こんなに続けてバイト入れても大丈夫なの?」
 ポケットから取り出したシフト表を見ながら、山岸さんが言った。

「学校はもう午前中授業ですから、夕方からの仕事なら平気です。
 仕事を早く覚えたいですし」
 頑丈なのが取り柄ですから、と山岸さんに返す。

―――まじめでやる気のある子なんだなぁ。

 ドアを抜けて出てゆく柏木さんの後姿を見送りながらそう思った。




「さてと、帰るかな。
 お疲れさん」

 水田が俺と赤川に声をかけて出て行った。



 すると赤川がこそこそと小走りで寄ってきた。

 そして、小さくささやく。

「ねぇねぇ、三山さん」



 2人しかいないのに、こそこそする必要があるのだろうか。

 相変わらずこいつの行動は妙だ。



「・・・・・・なんだよ?」

 どうせまた、ロクでもないこと言い出すに決まってる。

 俺は適当に受け流す。



「柏木さんを見てどう思いました?」
 わくわくとした表情で俺の答えを待つ。


 またしてもその話か。

 いい加減うっとおしい。


 俺には関係ないんだから、放っておいてくれないものだろうか。



「どうって言われても・・・・・・」



 あんな短時間の顔合わせでは、彼女がどんな人物かはよく分からない。



 見た目も今時の高校生にしては落ち着いていて、俺からすればまぁまぁの好印象。

 頑張り屋さんだとは思うけど、取り立てて気にかけるほどではない。
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