年下のカノジョ~あの子は高校生~
「どうしよう」

 店のケーキを買って渡すのでは芸がない。


「俺がケーキを作れたらなぁ」
 言っても仕方のない事が、つい口からこぼれる。



 フワフワに焼き上げたスポンジ。

 たっぷりのクリーム。

 彩りよくフルーツを飾れば、それは見事なプレゼントになる。


 でも・・・・・・。



 無理だ。

 俺がスポンジ台を焼くのは、ほぼ不可能。


 今から水田に頼む訳にも行かない。



「はぁ~。
 俺が作れるケーキって言ったら、ホットケーキだけだもんなぁ」



 しかも市販のホットケーキミックスに、玉子と牛乳を混ぜるという誰にでも出来る代物。

 薄力粉にベーキングパウダーを合わせて作る、という本格的な物など出来るはずもない。


「ホットケーキなんかもらっても、喜ばないよなぁ」


 そんなもの、わざわざプレゼントにするまでもない。
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