年下のカノジョ~あの子は高校生~
「いい感じでしょう?
 癒し系って言うか」
 赤川が自分のことのように自慢してくる。


 なぜゆえにこいつが誇らしげなのか・・・・・・?

 一度頭をかち割って、中を見てみるか。


 あまり素っ気無くしていても、赤川の奴に悪いと思って少しは話に乗ってやることにした。

 俺としては本当にどうだっていい事だけど。



「まぁ、それは言えてるかもな。
 可愛いとは思うよ」

 実際目にした彼女は、モデルや女優のようにずば抜けた美人ではないけれど。

 彼女を見て“可愛くない”という人はいないだろう。
 

 それに、柏木さんの笑顔はいいと思う。


 あの笑顔に心惹かれる男性はきっと多いだろう。

 俺以外で。




「でも、男連中が騒ぐほどか?」
 柏木さんには悪いけど、正直に俺は言った。


「とか言って、さっき見とれていたじゃないですか?」
 赤川がニヤニヤして俺を見てくる。


「う、それは・・・・・・。
 彼女の若さに当てられて目がくらんだんだよ!」
 
 見とれていたつもりなはい。

 理由は分からないが、彼女を取り巻く光に、俺の視線が吸い寄せられていた。



「へぇ、目がくらんだんですか?
 光でも見えました?」
 赤川がまたしても妙なことを口走る。
 

 人間から光が発せられるなんて、考えられない。

 なのに、赤川は当然のように口にした。


 俺も赤川があまりにも当たり前に話を進めるので、何のためらいもなく見たままの感想を述べた。


「そういえば光っていたかな?」

 真珠の輝きのようにやわらかく、穏やかな光だった。



「ふうん。
 なるほどねぇ」
 腕を組み、赤川が一人で納得してうなづいている。

「何がなるほどなんだ?」
 俺にはさっぱりわからない。


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