年下のカノジョ~あの子は高校生~
「家に行くにはまだ早いな。
 来る途中にあった喫茶店で時間をつぶすか」

 吹き付ける北風にクビをすぼめて、歩き出す。

 すると、本殿脇の小さな売店が目に入った。



 お札や、破魔矢、お守りが売られている。

 その一角で、特ににぎわっているのがおみくじ売り場。



「そういえば、おみくじなんてもう何年も買ってないや」

 運試しに、と1つ買ってみる事にする。



「どれどれ・・・・・・」

 結果は吉。


「そこそこいい感じって言うのは、なんか微妙だよな」
 苦笑する俺。


 せっかくなので、細かく書かれた文字に目を通す。


「ん~、なになに。
 健康運は“飲みすぎ・食べ過ぎに注意”か」


―――年末年始、全国のおみくじにはみんなコレが書いてあるんじゃねーか?




「金銭運は“意外なことで急な出費の気配”ねぇ。
 ふぅん、なるほど」

―――意外なことって何だ?

 
 赤川の奴が『結婚するんで、お祝いをください』とでも言うのだろうか。

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