年下のカノジョ~あの子は高校生~
―――そろそろ、自分の気持ちをはっきりさせる時なのかも。


 あと2週間もすればバレンタインデー。


 俺が恋を自覚してから、1年。




「そっかぁ。
 もう、そんなに経つんだ」


 休日の午後。

 ソファーでゆっくりくつろいでいる俺。





 すぐ横のサイドボードの引き出しを開ける。


 中から1枚の紙袋を取り出した。
 


 緑のギンガムチェック柄の紙袋。


 去年、由美奈ちゃんからもらったクッキーが入っていた袋だ。




「この日から、片想いが始まったんだっけ」


―――まさか、11才も年下の子を好きになるとはね・・・・・・。
  
 知らずに苦笑がもれる。



 あれほど『好きになるはずがない』と、赤川に言っていたのに。


 今ではすっかり彼女に心が奪われている。

< 287 / 718 >

この作品をシェア

pagetop