年下のカノジョ~あの子は高校生~
 誰かがこちらに向かってくる足音がする。

「山岸さんかな?」



 スイングドアに目をやると、ゆっくりと開いた。
 

「失礼しまぁす」
 ピョコッ、と顔をのぞかせたのは、由美奈ちゃん。


「あのぉ。
 ホールの戸締りと消灯のチェック、終わりました」

 ホールのユニフォームから、高校指定の白いブラウスと、ヒザ上丈の紺のプリーツスカートになっていた。


「えっ!?
 柏木さんが戸締り当番なの?
 山岸さんはどうしたの!?」


 まさか、こんなにすぐ由美奈ちゃんと会う機会が巡ってくるとは思ってなかった。

 動揺が隠せない。



「山岸さんはさっき帰りました。
 下のお子さんが急に具合が悪くなったと電話があったみたいで。
 で、あとは戸締りするだけだったから、私が当番を引き受けたんです」


「あ、ああ。
 そうだったんだ」



 突然の由美奈ちゃん登場に、俺の中に緊張が走る。
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