年下のカノジョ~あの子は高校生~
―――今、ここで言うべきなのかっ!?
 
 どうしよう。



 あれほど硬く決心したはずなのに。

 口が重くなっている。



―――ああ、どうしよう。



 なんて考えていたら、すぐ目の前にまで由美奈ちゃんが来ていた。




「三山さんが厨房に残っているから、鍵を渡すようにって」


 由美奈ちゃんが鍵を俺に差し出す。

「お子さんが小さいと、母親って大変ですよねぇ」

「え、あっ。
 そ、そうだね。
 子供ってすぐに熱を出すから」



 彼女の顔をまっすぐ見る事が出来ない。


 手の平に、ジワリと汗がにじむ。

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