年下のカノジョ~あの子は高校生~
 静寂の流れる厨房。

 冷蔵庫のモーター音がやけに響く。



 その静けさを破るように、俺は大きく背伸びをした。

「はぁ、やっと言えたぁ。
 これで、すっきりしたよ」

 出来る限り、明るい声で言う。



 だけど。

 まだ、顔は上を向いたまま。



 今、由美奈ちゃんの顔を見てしまったら、きっと涙が止まらない。




 
「俺が柏木さんを好きだなんて、驚いた?
 ははっ、普通、驚くよねぇ。
 実は1年も片想いだったんだよ」


 わざとおどけて、涙をごまかしてしまおう。
 

 ごまかせるほど、俺の想いは簡単なものじゃない。



 でも。



 今は彼女のためにも、おどけてしまえ。



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