年下のカノジョ~あの子は高校生~
 無理矢理にでも笑ったからか、少しだけ気持ちが落ち着いた。 



 俺は深呼吸を1つして、話を切り出す。

「・・・・・・あのさ。
 お願いがあるんだ」


「お願いですか?」
 
 上を向いたままの俺には由美奈ちゃんの顔が見えないけれど。
 

 その声は不安そう。



「大したことじゃないよ。
 俺が言ったこと、忘れてくれる?
 なかったことにしてくれてかまわないからさ」
 


 俺の想いは聞かなかった事にしてくれていい。

 “俺”という存在を忘れてもいい。



 由美奈ちゃんは何も気にすることなく、笑っていて欲しい。



 願う事は“彼女が笑顔でいられますように”。


 自分の存在が彼女の笑顔の邪魔になるのは、イヤだった。






 この恋は俺だけが覚えていればいい事だから。


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