年下のカノジョ~あの子は高校生~
 穏やかな空気が流れる厨房。

 ほんの少し前までは、あんなに苦しかったのに。




 俺は抱き寄せた由美奈ちゃんの髪をゆっくりとなでる。


「びっくりしたと言えばさ。
 俺が告白した時、何であんなに驚いたの?」


 俺の事が好きだったら、絶句するほど驚かないよな。


 だからてっきり・・・・・・。




「だって。
 三山さんは私のことなんか、相手にしてくれないと思っていたから」

 由美奈ちゃんが悲しそうに眉を寄せる。


「だから、三山さんが“私のことを好き”って言ったのが信じられなくて。
 絶対、絶対、無理だって思ってたから」

 唇をかみ締める由美奈ちゃん。

< 330 / 718 >

この作品をシェア

pagetop