年下のカノジョ~あの子は高校生~
「赤川さんって面白いですよね。
 なんていうか、行動が少し変わっていて」
 クスクスと苦笑して、柏木さんが俺の横に座った。


「それは言えてる。
 いい奴なんだけど、子供っぽさが抜け切ってないというかさ」


「ふふっ。
 それ、分かります」
 柏木さんは無邪気に眠りこける赤川を見て、目を細めた。


「あ、ビールいかがですか?」
 ビール瓶をこちらに向ける柏木さん。


「ん、ありがとう」
 グラスに半分ほど残っていたビールを一気に空け、彼女にグラスを差し出す。

 コポコポという音と共に、琥珀色の液体が注がれる。



 しかし。

 俺のグラスの傾け方と、柏木さんの注ぎ方が噛み合っていなくて、少しビールが溢れてしまった。


「おっと!?」

「ごめんなさいっ」


 2人同時に近くにあった付近に手を伸ばす。

 柏木さんの手を下にして、俺の手が重なった。




 その瞬間、俺は表現しがたい感覚に襲われる。

 全身が出来たての綿あめに包まれたような、あったかくて、ホワホワとした感覚。




―――えっ?!
   何だ、これ・・・・・・?


 体を包む奇妙な感覚の正体がつかめずに呆然としていると、戸惑いを隠せない声がした。




「あ、あの・・・・・・、三山さん」



 呼ばれてはっと我に返る俺。

 気付けば、布巾ごと彼女の手を握り締めていた。


「あっ、その、ごめんっ」
 慌てて手を離した。

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