年下のカノジョ～あの子は高校生～
　ピンポーン。

「はいはぁい。
　今開けるよぉ」
　俺はいそいそと玄関へと向かう。


　鍵をはずしてドアを開けた。

　そこには仕事場で見るのとは全く違う由美奈ちゃんが。



　仕事中には髪を一つにまとめているけど、今日は下ろしていた。

　サラサラと柔らかそうな黒髪が背中で揺れている。



　丈の短いデニム地のジャケットは、今日の空の色と同じ薄い水色。



　ジャケットのボタンが上まで閉められているからよく分からないけれど。

　おそらくその下はワンピースだろう。

　淡い黄色の生地のスカートに、ピンクやオレンジの大小さまざまな水玉が散っている。
　


　職場では化粧っ気のない彼女。


　でも今日は、パッチリとした目元には幾分メイクがされている。


　落着いた色の口紅を引いている彼女は、髪を下ろしているせいもあって、いつもよりもだいぶ大人びて見えた。

< 353 / 718 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop