年下のカノジョ~あの子は高校生~
44】名前
「プリンのお味いかがですか?」
 

「美味しいよ。
 甘さがきつくないから素材の味が活きてるし。
 濃厚だけど、しつこさはないよね」

 俺の感想に、にっこりと笑う由美奈ちゃん。

 俺が知っている笑顔だ。


「よかったぁ。
 何しろ私も初めて食べるから、ちょっと心配だったんですよ。
 じゃ、私も食べよっと」

 スプーンを持った由美奈ちゃんの動きがはたと止まる。


「ん?
 どうしたの?」


「失敗したなと思って」

「なにが?」

「最初は何もかけないで食べればよかった。
 そうすれば、三山さんの言う素材の味がよく分かったのに」
 
 ぷぅっと頬を膨らませる由美奈ちゃん。


 すっかりいつも通りの彼女である。





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