年下のカノジョ~あの子は高校生~
「由美奈ちゃん、お願い・・・・・・」

 俺の切ないささやきが、彼女の耳に届く。



「あ、えと・・・・・・」

 彼女の手がぎゅっとソファーを掴む。



 沈黙が流れるリビング。

 時計の秒針の音だけが響く。





 どれだけ時間が経ったことだろう。
 

「ま・・・・・・。
 正和さん・・・・・・」

 由美奈ちゃんが言った。


 注意していないと聞き逃してしまうほど、小さな、小さな呼びかけ。



 でも。

 今、確かに俺の名前を口にしてくれた。 





 彼女を身ぐるみ抱きしめる。

「やったぁ!
 やっと呼んでくれたね!!」



 ぎゅぅぅっと抱きしめる。


 嬉しい。
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