年下のカノジョ~あの子は高校生~
「本当ですか?」
 由美奈ちゃんは目をきらりとか輝かせる。


「うん。
 どこに行きたいか、考えておいてね」


「はい」
 嬉しそうに由美奈ちゃんが微笑んだ。


「今度は彼女として、助手席に乗れるんですね」
 すごく嬉しそうな由美奈ちゃん。


「そうだよ。
 正真正銘、俺の彼女として乗っていいんだよ」


 過去に一度だけ、由美奈ちゃんを助手席に乗せた去年の夏。
 


 あの時、先の見えない片想いが苦しくて、苦しくて。

 心がくじけそうだった。




―――でも、諦めないでよかった。


 今、こうして俺のそばに由美奈ちゃんがいる。


 それだけで、あの胸が焼けるような切ない時間が報われる。


< 414 / 718 >

この作品をシェア

pagetop