年下のカノジョ~あの子は高校生~
―――じろじろ見ちゃったこと、謝った方がいいのかなぁ。
   でも、今更言うのも変な気がするし。
 

 どうしようかと迷っていたら、田辺さんのほうから話しかけてきた。




「初めて見るお顔ね」

「あ、はい。
 普段は土、日出勤ですので」


「あら、そう。
“柏木さん”というの。
 下のお名前は?」

 私の胸につけられているネームプレートをしげしげと眺めながら、田辺さんが尋ねる。


「由美奈、です」

 
「ふうん、“由美奈ちゃん”ね。
 いいお名前だわ」
 
 にっこりと微笑まれた。



 だけど。

 何だか威圧感がある。



―――この人の目、笑ってない。




 田辺さんは何も言わず、ただ私を見ている。


 それはまるで、頭のてっぺんからつま先まで、じっくりと検分されているようだった。


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