年下のカノジョ~あの子は高校生~
 由美奈ちゃんに教えられた席に行くと、俺の姿を見た田辺さんがにっこりと微笑んだ。


「三山さん、こんばんは」

 落ち着いた色の唇からつむがれる声は、同様に落ち着いて品がある。


 顔立ちは美人の部類に入るだろう。


 由美奈ちゃんが田辺さんに憧れるのも、判る気がする。
 


 客観的に見れば素敵な女性。



 だけど。

 恋愛対象にはならない。
 


 外見がどうこうと言うよりも、なんとなく俺とは合わない感じがするからだ。





「こんばんは、田辺様。
 お味はいかがでしたか?」
 


 あの病院には何かとお世話になったし。

 それに、お客様に対して嫌な顔は出来ない。
 

 そこそこ愛想の良い笑顔で話しかけた。

< 434 / 718 >

この作品をシェア

pagetop