年下のカノジョ~あの子は高校生~
「何言ってるんですか。
 満足したから三山さんを呼んだのに」
 目元も口元もやわらかく緩める田辺さん。


 俺とは違って愛想笑いなどではないようだ。



「それは、ありがとうございます」
 軽く頭を下げた。


「本当に美味しかったんですよ。
 さすがチーフコックだわ」

 うっとりと俺を見上げる視線。



―――なんか、今夜は田辺さんの様子がおかしいなぁ。


 俺を見る目がなんだか違う。

 それに、お化粧も服装も、かなり気合いが入っているような・・・・・・。



「このお店でお仕事始められて、だいぶ経ちましたよね。
 料理を任されるようになって、もう何年になります?」
 

 田辺さんがいつもとは違って、話を振ってきた。



 普段はちょっと挨拶をしたら、俺のことを解放してくれるのに。


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