年下のカノジョ~あの子は高校生~
「では、失礼します」
 くるりと田辺さんに背を向けた。




 席から2、3歩離れた時、田辺さんがポソリとつぶやいた。

「今は違うくせに・・・・・・」


 何か思いつめたように、低いつぶやき。




―――“今は”って言ったか?



 でも。

 聞き返すのも変だし。





 彼女の呟きを聞かなかったことにして、その場から立ち去った。


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