年下のカノジョ~あの子は高校生~
「実は。
 前に住んでいた所が、大家さんの都合で取り壊すことになりまして。
 そのハイツに住んでいる同僚に、空きがあると教えられたんです」


「あ・・・・・・、ああ。
 なるほど」
 

 ハイツの名前を聞いて、『もしかして、俺を追いかけてきたのか?』と思ったけど。


 立ち退きを迫られての引越しか。

 それならそんなに心配するほどでもないか。





「まだ新しい割には家賃も手ごろですし。
 良い物件を紹介してもらえて、運がよかったですわ。
 ・・・・・・確か、三山さんもそのあたりに住んでいらっしゃると、随分前に聞きましたけど?」


「はい、今も変わらずです。
 1人で住むにはちょうどいい大きさなんで。
 すっかり落ち着いちゃってます」


「1人暮らしなら、家族の目を気にすることなく、彼女を部屋に呼べますしね」

 にこっと笑った彼女の瞳の奥が、きらりと光ったような気がした。




< 441 / 718 >

この作品をシェア

pagetop